過労死等防止対策推進全国センター

過労死の背景迫る 盛岡でシンポジウム 岩手日報2016/11/9

過労死等防止対策推進シンポジウム(厚生労働省主催)は8日、盛岡市で開かれた。県内の労組関係者ら約60人が、電通の女性社員の自殺など社会問題化している過労死・過労自殺の背景と防止策について理解を深めた。

甲南大名誉教授の熊沢誠さんが基調講演で、過労死・過労自殺の根底にある「過度の働き方を求める日本企業の労務管理」を指摘。

残業時間に関する法規制や労組の取り組みの弱さに加え「日本の男性は会社から昇給や昇進など良く評価される『成功』を得ないと、生活保障が危うい。自分と家族のためと、会社のための区別が難しく、主体的に働きすぎに適応してきた面がある」と述べた。

欧米と比べ、労働者が長く競争的な環境に置かれ、エリート層にけん引されてそれ以外(ノンエリート層)も働きすぎになる傾向があるとし「正規・非正規を問わずノンエリート層はますます多数者になりつつある。ワーク・ライフ・バランスを重視するノンエリートの自立の思想が求められる」と述べた。